天使のいた屋上【着想2】 | ひとりあるき

天使のいた屋上【着想2】

前回の記事

漠然と「ネタはこんなふうに浮かんでくるよ~」なんていっても、出ないときは出ないよなあ。あと「こういうテーマで募集します!」ってこともあるじゃない。「こういうテーマで書きたいけど具体的にどうすれば」ってこともあるじゃない。
ちょうどいいところに「天使のいた屋上」があるので、この作品がどういうふうに生まれたのか、思い出しながら書いていくよ。

天使のいた屋上

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ユアシネマコンテストについて→News2uリリースポータルさまの記事 2006/9/15 2007/1/23

はい。
ユアシネマコンテストは、フォレストノベルというケータイ小説サイトにて開催された、映画化する小説を募集するコンテストでした。
2007/1/23の記事にある十作品のうち、「愛流通センター」も書籍化・映画化しております。

このコンテスト、募集作品にテーマがありました。
「携帯電話」と「ラブストーリー」
フォレストノベルらしいテーマでしたね。専用の投稿フォームが作られ、たくさんの作品が応募されました。作品は不定期的に、数~十数作品がサイト内で公開されておりました。
フォレストノベル。利用していたかたはご記憶でしょう、今はガラケーと呼ばれるフィーチャー・フォンが主流の時代。が、フォレストノベルはauユーザーしかアクセスできませんでした。
フォレストノベルの投稿方法、最初期は1000字(だったかな)×5ページをページ単位で書きこんでいたのですが、au端末側の都合で、比較的早い時期に400字×15ページに変更されました。このへんの詳細は省くよ。

ユアシネマコンテストの募集要項が発表されたとき、まずわたしがしたこと。
投稿フォームを開いて、上限を確認しました。
募集要項に字数についての言及がなかったんですよ。じゃあいつもと同じなのかっていったら、400字×15ページで映画にできるような作品を書けるわけないじゃん! と思いましてね。まあそんなかんじで開いてみたら、400字×1000ページまでOKぽかったので、とりあえず安心してページを閉じましたね!

もし上限が15ページだったら「天使のいた屋上」は生まれていません。

さて、ここから【着想】の時間です。

着想を得る

ユアシネマコンテストではテーマがありました。
ラブストーリーはとりあえず端に置いておいて、「携帯電話」から着想を得られたら楽ちんですよね! 携帯電話! 着想をくれよ!
着想を得るってそういうふうに使う言葉じゃないぜってのはいわないでくれな。言葉遊びも着想の宝庫だぜ。

で、携帯電話でなにができるかを書き出しました。

・電話
・メール
・ネット閲覧、書き込み
・サイト作成サービスを利用してのサイト作成
・写真を撮る
 ‥‥などなど。

スマホが主流になってできることが一気に増えましたけれど、フィーチャー・フォンでもこれくらいのことはできたのですね。
このなかからどれを使うかを考えます。
わたしは、「携帯電話だからこそできること」を中心に考えました。
作中で「写メコン」が開催されています。ふつうのカメラじゃできないですよね。サイトに接続できないとならない。中学校でのイベントの企画としては妥当なところかな、と思います。中学生に携帯電話はまだ早い、という考えもあるかもしれませんが、それは置いておきましょう。

余談ですが、わたしはどうも、主人公を比較的低年齢にしがちです‥‥中学生なら低年齢ってほどじゃないかもしれないけど、なぜ高校生じゃなかったのか。単に、サッカー大好き高校生が卒業後に目指す場所がわからなかった、というのも大きいですけどね。中学生なら「サッカー強豪校に進学したい」って、わかりやすいじゃないですか。
でもそれだけじゃないんだよなあ~リックもそうだし、昨年書いていた長編もそうなんだけど、どうも子どものころから始まるんだ。なんでだ。

閑話休題。
ユアシネマコンテストは、みんなで作ろう、というのもテーマでした。フォレストノベルユーザーは日本各地にいるので、撮影するから来てね! といってもなかなか難しいです。でも写メコンなら距離なんて関係ないし、みんなに参加してもらえたら楽しいんじゃないかなーとも考えたのです。
結局それっぽいのはなかったような気がするけど‥‥どうだっけ?
とにかくそういうわけでですね。

「天使のいた屋上」は「写メコン」がキーワードだった

のです。

かくして白鳥は着想を得た!
そうしたら展開していきます。たとえば、じゃあどういう状況で写メコンが開催されるのか。クリスマスパーティーになったのはクリスマスが近かったからですかね。クリスマスパーティーも、撮影に参加できたら楽しいじゃん? 的なノリでした。そんなシーンはなかったけど。
ほかにも書きたいところはありました。一番書きたかったのは、夕日を背にして顔は影、目だけがギロリと光るかっこいいヒロイン。五ですね。四でした。
‥‥と、展開は別のお話になるのでまた今度。

ところで作品特有のテーマとして「いじめ」が含まれているようにも見えますね。これは単純に、わたしにとって書きやすいテーマだったのです。学校ってやっぱりそういうのあるよ。
前回の記事「001 日常の出来事-不満」です。
常日頃から抱いている思いというのは作品に表れやすいものです。だって無意識のうちに、常日頃から情報を集めちゃうんですよ。書きやすいでしょ。
不満や疑問はネタの宝庫ですよ。

いや、ふつうにストレスですけどね!?

でも訴えてわかってくれる人ばかりじゃないです。
こちらが一所懸命伝えようとしても、わかったつもりになって「はいはい」って流されることもしょっちゅうです。でした。
想像力が豊かで、あるいは感受性が強くて、気持ちをすぐにわかってくれる。そんな人も世の中にはいます。だけどたいていの人は、実際に自分で体験しないとわかりません。そしてそれ、実は、本人は自覚していません。わかっていないことを自覚していません。「わかってるよ、うるさいな」って思っちゃう。

物語を作る意味はそこにあるのかな、と感じています。

話逸れちゃったな。長くなったので今日はここまで。

ところで「愛流通センター」ですが、「携帯電話」というテーマからのアイディアが秀逸でした。機会があれば読んでみてくださいませ!

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